フェロモンとはそもそも何なの?フェロモンの種類を解説

昆虫

日頃、良く耳にする「フェロモン」や、「ホルモン」といった言葉ですが

その詳細を説明するとなると、実際は、意味があまりよくわからないと思っている方も多いのではないでしょうか?

「フェロモン(pheromone)」という言葉は、ギリシャ語で、フェロ(pherein運ぶ)とホルモンの語源(hormaein刺激する、興奮する)が合わさった言葉です。
日本語では「外界で運ばれる興奮物質」といった所でしょうか。

つまり、体内で分泌され、体内に影響を与える「ホルモン」ではなく、体外に分泌し、外界の同じ種類の個体に、影響を与える化学物質のことを「フェロモン」と言います。

こんな風に説明すると、難しく聴こえてしまうので、実際のフェロモンをいくつかご紹介していきましょう。

フェロモンの種類

フェロモンは、人間だけでなく、沢山の動物や微生物が分泌する物質です。
哺乳類のみならず、昆虫も、沢山のフェロモンを発しています。

●道標フェロモン

例えば、アリが、アリの巣からエサの在り処まで、一列になって歩いているのを見たことがありますが、あれは、「道標フェロモン」を、一番最初にエサを見つけたアリが、分泌しながら歩くため、他のアリにも、エサの在り処がわかる仕組みです。

●女王物質(階級分化フェロモン)

ハチやシロアリ類の女王が、働きバチの卵巣の発育を阻止して、
女王にさせず、働きバチとして生育させるフェロモンです。

ちなみに、働きバチをオスのハチだと思っていらっしゃる方も多いと思います。せっせと働くサラリーマンを、働きバチと例える事もありますね。

でも、これは誤解で、働きバチは、フェロモンで卵巣発達を抑制された、いわば中性化されたメスなのです。オスは女王蜂との交尾の際しか働く事はなく、用がなくなると、死ぬか、巣を追い出されてしまいます。

●集合フェロモン
集団で生活する昆虫(カメムシ、ゴキブリなど)が、
その集団の形成のために、オスとメスを誘い、定住させる働きを持ちます。

●警報フェロモン

集団で行動する昆虫(ハチ、アブラムシ、カメムシなど)に多く見られます。
危険を察知すると、素早く拡散し、攻撃したり逃避したりするための警報です。

●性フェロモン

昆虫やダニにみられる求愛行動では、メスが交尾行動のために、腹部にあるフェロモン腺から性フェロモンを出し、オスはその匂いをもとにして、メスに接近します。

蝶や蛾の仲間では、500種類以上の性フェロモンが確認されています。
一般に、夜行性の昆虫に多くみられると考えられています。

また、哺乳類にも、性フェロモンは確認されています。
ジャコウジカのオスが発する、人間にとっても
非常に良い香りのフェロモン「麝香=ムスク」が有名ですね。

また、猫や犬、蛇、山羊などにも、発情を誘発したり、メスの排卵を
誘発するオスのフェロモン他、様々な種類が発見されています。

人間にフェロモンはあるの?

人間がフェロモンを発したり、感知する器官は、進化の過程で衰えてしまったと、長い間、考えられてきましたが、1970年代に、ある種のヒトフェロモンの存在が発見されました。
それは、ルームシェアしている女性同士の生理周期が
一致してくるという「性周期同調フェロモン」の存在です。

また、さらに新しい発表では、このフェロモンによって狂わされた生理周期が、男性のフェロモンを嗅ぐと、正常周期に戻るといった論文も出されています。ヒトフェロモンの研究については、まだまだこれからの分野だと言えますね。

●フェロモンを利用して害虫駆除?

昆虫の集団フェロモンの特性を利用して、ゴキブリなどの駆除に役立てたり、性ホルモンを合成し、農地などに広範囲に利用する事で、害虫が異性の場所をつきとめられず、交尾に至らないことで、繁殖を抑制する効果があります。

以上のように、生物の世界に存在するフェロモンは、魔法のように、異性をコントロールしてしまう、不思議な力をもった物質なのですね。

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